桐朋学園近くの仙川カフェ、仙川バー【レキュム・デ・ジュール】
濃厚なネルドリップの珈琲と美味しい洋酒をどうぞ。。
珈琲、紅茶、自家製スイーツ、ウィスキー、カクテル、JAZZ‥フランスのカフェのように大事な時間を過ごせますよう。
2月の東京もなかなかの寒さですね。
手足しびれる寒さに紛れて、
分館ではこっそり、
自家製レーズンバターのクッキーサンドが、
プレーンと、チョコと、選べるようになりました。
おそらく次の分館コラムの更新時には、
また新しい商品のお知らせがあるかと思います。
よろしくお願いいたします。
さて、口下手の長話が、日を改めてになってしまいましたが、
第9回、喫茶店と、灯台。の続きです。
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まるで、海に挑むかのように、美しく堅牢な、
この教会の鐘楼に見惚れながら、
いつの間にか、ぼんやりと喫茶店のことを考えていました。
喫茶店は、待つことが仕事です。
晴れの日も、嵐の日も、
出来うる限り、佇まいを変えることなく、
温かな飲み物と、少しの食べ物を用意して、
看板を挙げ続けること。
この鐘楼ほど立派に務められないかもしれないけど、
足踏ん張って、根をおろさないと、出来ないことなんだよな、と
身がすくむような、問われているような、
そんな気持ちになったことを覚えています。
灯台は、時代がいくら変わっても、
闇夜を照らすシンボルです。
そして、これも私が転勤族だったからかもしれませんが、
東京という巨大な街に住むこと自体が、
まるでずっと広大な海の上で浮かんで揺れているように、
感じる時があります。
東京という街で、生活をする何気ない日常の中にも、
それぞれの、小さな旅はあり、
それぞれの町にある、お気に入りの小さな喫茶店の灯りに、
私自身、たくさんほっとさせられてきました。
故郷らしい故郷を持たない私が話すのもなんですが、
喫茶店にある日常は、どのお店もとてもささやかで、
でも変わらないで力強くて、
それは小さな故郷に帰ったような、
安らかな自信を、私に与えてくれていたのかもしれません。
それが、喫茶店の灯りなのだとしたら、
足踏ん張りながら、灯し続けていきたいなと思います。
…何だか長くなった割に、
随分と真面目な噺にまとまってしまいましたね。
落語家さんはすごいです。
私なりに頑張って、少しサゲを作るなら、
この鐘楼を見た旅、
次の街で、ばたり倒れて救急車で運ばれまして
結局、バルセロナにはたどり着けませんでした。
喫茶の旅も、私自身の旅も、未だやり残して道半ば、
先はまだまだ長いなあということで。。
という訳で、
分館ではそれぞれのテーブル席に、
灯台みたいかなと思って作った手元灯りを用意しています。
できるだけ変わらぬ佇まいで
スタッフ一同お待ちしておりますので、
東京で暮らす小さな旅人のひと息に、是非どうぞ。
ではでは、次回はもう少し暖かくなってから、ですかね。
『煙が目にしみる。』、『老舗の年月。』、
もしくは、その他のお話の予定。
【第九回】
喫茶店と、灯台。の続き